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2008年02月03日

小林深雪と日立システムスキー部のドキュメンタリー、出版

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 障害者競技をスポーツの視点から追い続けているスポーツライター宮崎恵理が、バイアスロン選手の井口(旧姓小林)深雪と日立システムスキー部を描いたドキュメンタリー「心眼で射止めた金メダル―小林深雪と日立システムスキー部の挑戦」を昨年12月、新潮社より出版。その出版記念パーティが1月31日、東京・恵比寿のカフェ「シャンブルクレール」で開催された。(写真は同書を持つ著者=パーティ会場で)

 同書は、長野、トリノ両パラリンピックのバイアスロンの金メダリストで、昨シーズン末のW杯優勝を最後に現役を引退した井口深雪を軸に、日立システムスキー部の歩みを描いたドキュメンタリー。

 パラリンピックに出場する日本選手の多くはアマチュアであり、競技と生活の両立、特に経済面で苦しむ選手は少なくない。そんな中で、企業のスポーツ部として障害者クロスカントリースキー種目の現役選手・監督を中心にチームを立ち上げ、充実したサポート態勢を築き、トリノでメダル獲得の結果を出し、若手の発掘・育成を続けている日立システムスキー部は、その存在が奇跡と賞賛されているチームだ。井口自身、引退セレモニー後の記者インタビューで「長野のあと、経済的に非常に厳しい状態におかれ、周囲の支援がなければ続けられなかった」とチームや関係者への感謝の気持ちを語っている。

 「このチームのことを記録として残しておきたかった」という著者。日立システムスキー部顧問・渡部勤の「深雪の本を出したい」という話をきっかけに、長野の関係者や関係企業に足を運んでインタビューを重ね、書き下ろしドキュメンタリー単行本としてこのたびの出版に至った。

 選手や競技の物語としてだけでなく、企業スポーツ部の成功への軌跡の記録として、意思決定やマネージメントの方法、プロジェクト推進に不可欠な要素や成功の要因をも考えさせられるビジネス書としても、おすすめの1冊。

宮崎恵理著 「心眼で射止めた金メダル―小林深雪と日立システムスキー部の挑戦」
新潮社 定価1575円

(敬称略) text:Yuko SATO